子どもの鼻水
鼻の病気|2023.05.25子どもがよく鼻水を出すのはなぜ?
子どもの鼻水の原因を大きく分けると、①かぜ、②アレルギー性鼻炎に分けられます。
子どもはウイルスや細菌から体を守る働きをする免疫機能がまだ未熟なので、大人と比べて頻回に風邪をひきやすいため、鼻水がよく出るのです。また、花粉やダニなどのアレルギー性鼻炎の発症もどんどん低年齢化しており、アレルギーも鼻水の原因として多くなっています。
鼻水を放っておくと中耳炎になる
鼻水が多いまま放っておくと、中耳炎を起こすこともあります。鼻は耳管という管で耳とつながっており、鼻水が多いと耳管を通って耳の奥にある中耳(鼓膜の内側)にウイルスや細菌が侵入して中耳炎を起こします。特に子どもの場合は、大人に比べて耳管の角度が水平に近く、太くて短いため、ウイルスや細菌が侵入しやすく、中耳炎を起こしやすいという特徴があります。
鼻水が多いと他にはどんなことが大変?
中耳炎の他にも、鼻の周囲にある副鼻腔という空洞で炎症が起きて副鼻腔炎を起こすこともあります。副鼻腔炎になると、鼻の症状が治るまでにさらに時間がかかるようになり、抗菌薬の服用も必要になることがあります。抗菌薬を服用すると、体の中にいる良い細菌までやっつけてしまうため、下痢などの副作用が出ることもあります。できるだけ抗菌薬の服用を避けるためにも、こまめに鼻水の吸引などの治療をしっかり行っていくことが大切です。
また、赤ちゃんの場合は鼻が詰まっているとミルクや母乳がうまく飲めず、ミルクの飲みが悪くなったり、ひどい場合には栄養不足になったりすることもあります。ミルクを飲みながら鼻呼吸がしっかりできるように、ご家庭でも鼻水を吸ってあげたり、ご自宅で難しい場合や奥まですっきり鼻水を吸いだしてあげたいという場合には、耳鼻咽喉科で吸引の治療を受けることもおすすめです。
鼻が詰まって口呼吸をしていますが問題ありませんか?
鼻は空気中の異物を取り除くだけでなく、吸い込んだ空気を加湿して温めてから、のどに送り込むという重要な働きがあるので、鼻が詰まって口呼吸になるとその働きが十分に発揮されなくなります。そうなると、口から直接乾燥した冷たい空気を吸い込んでしまうことになるので、のどに影響をして風邪をひきやすくなったり、咳が出やすくなったりしてしまいます。また、口呼吸によって口の中も乾燥して唾液が減ってしまうので、虫歯や歯周病の発症に関係したり、口臭の原因になることもわかっています。
鼻水の色と粘り気に注意!
鼻水を見ると、黄色や緑、無色透明と色も様々あれば、ネバネバしていたりサラサラしていたり様々なタイプがあります。鼻水の色や粘り気は病気を探るサインにもなるので、鼻水が続く場合には色や粘り気に注意してみてみましょう。鼻水のタイプ別に一般的な原因を見てみましょう。
・無色透明でサラサラした鼻水の場合は、風邪のひき始めやアレルギー性鼻炎が原因であることが多いです。
・ネバネバしている鼻水の場合は、風邪をひいてから、ある程度日数が経過していることが原因として多いです。
・ネバネバして黄色や緑の場合は、風邪が治っている途中の場合と、反対に風邪がこじれて副鼻腔炎などを起こしている場合があります。
ただし、本来は無色透明の鼻水でも、鼻の中に溜まって時間が経つと、黄色や緑になったり、ネバネバしてくることがあります。朝起きたときや保育園・幼稚園から帰ってきたときなどは、まず鼻水を一度かんでから、そのあとにどんな鼻水が続くかを見るようにしましょう。
鼻がうまくかめないみたいですが、何か方法はありますか?
吸引器具を使ってしっかり吸い出してあげることも大切ですが、小さなお子さんでも自分で鼻をかめるようにトレーニングする方法もあります。
鼻かみトレーニングの方法
① ティッシュを1枚用意します。
② ティッシュを顔の前にかざすようにします。
③ 口を閉じてティッシュに鼻息をかけてティッシュを揺らします
④ 繰り返しティッシュを揺らすことで鼻から空気を一気に出すことに慣れていき、徐々に鼻がかめるようになっていきます。
練習をするときのポイントは、まずは保護者の方がやって見せることです。どうすればいい
かお子さんも見て学ぶことができるので、まずは保護者の方がお手本になってあげてくださいね。
当院での鼻水吸引のこだわり
当院ではお子さんの鼻水の状態やご年齢に応じて、数種類の吸引器具を使い分けて、しっかり鼻の入口から奥の方まで吸引するようにしています。
幼稚園や保育園の帰りに、鼻の吸引治療をしっかり受けていただくと、鼻の通りがよくなって夜が寝やすくなる効果が期待できますのでおすすめです。